『百歳の森をつくる。』~西粟倉森の学校の挑戦

わたしたちは今、岡山県の山あいにある『西粟倉・森の学校』とヒノキで作るハードチーズプレス機を一緒に開発しています。”学校”と言う名ではありますが、実は林業のベンチャー企業として日本中から視察の絶えない会社です。

 

この4月、大学で建築を学んだ女性が一人、この森の学校へ新卒で入社しました。

 

『村田真由』さん。

 

日本中どこでも選べたであろう就職活動で、西粟倉村を選んだ彼女。わたしたちのチーズつくりツールを担当してくださっているのも彼女です。

そんな若い彼女の目を通して垣間見えた楽しくてたくましい『森の学校』の挑戦とビジョンのお話を伺ってきました。

 

2015.11.23-30

2015.12.01-07

2015.12.08-14

2015.12.15-21

無垢の気持ち良さが、武器。 

ーー 今、西粟倉のあたりの木はどのくらいの年齢になるんですか?

 

村田 多くは戦後植えられた林なのでおよそ50-60歳です。

 

ーー  こういう年齢の森では本来は何をしないといけないんですか?

 

村田 そうですね、まず森の中で将来を見越して質のよい材になりそうな木を選びます。その木を大きくする環境を整えていくために、枝打ちをしながら節(ふし)の少ない木をつくったり、選んだ木以外の周辺の木を切ったりしていきます。

 

ーー このあたりの山は急傾斜なので手間のかかる作業では?

 

村田 はい、そうなんです。ですから木が売れない今はあまりすすんでいません。そこで西粟倉ではコストのかかる森の維持管理をいったんオーナーから「西粟倉村」へ委託してもらう新たな仕組みをつくりました。次に村から「森林組合」が委託をうけ管理をし間引きした木を切り出します。

 

ーー こうして出てくる木が間伐材になるわけですか?

 

村田 はい、こうして森からでてきた間伐材から、板材や木工製品をつくりだす部分を担っているのがわたしたち「森の学校」です。その売り上げでさらに新たな森の管理がすすみ間伐材が出やすい環境を整えるという仕組みです。

 

ーー 間伐材ってもっと細いもののかと思ってました。すごく太い。もうすでに立派な建材です。

 

村田 50年齢の木といえばかなりの太さです。

 

ーー この間伐材をつかった製品の販売が良い循環をはじめる鍵になる?

 

村田 はい。目の前の木の切り出しもできない悪い状況を変える“くさび”になるようなもの。これがこの西粟倉でうまく循環していくなら森の多い日本でどこでも応用できるかと。

ーー 今新しくチーズつくりの道具を作っていただいてますがこれまでどんな製品をつくってこられたんですか?

 

村田 そうですね、弊社には全国に販売してるちょっとユニークな商品がいくつかあります。例えばどんな部屋でも敷くだけでフローリングに出来るユカハリ・タイル(注3)。

 

 

ーー ユカハリって床を張るってこと?

 

村田 はい、その通りです。たとえば賃貸のワンルームでも、敷くだけでハードウッドフロアにできる商品です。個人の方や木のあるオフィスにしたい法人の方にもよく売れています。

 

ーー こうしてつなげば、カーペットのように広く敷くこともできるんですね。工務店さんが使ったら工期の短縮になりますね。プロの大工さんたちにも売れそうです。

 

村田 はい。実は今わたしの部屋、このユカハリ・タイルでフローリングなんです。普通の合板を塗装してつくった市販のフローリング材と違って、無垢(むく)の材なので裸足で歩くのが本当に気持ちいいんです。

 

ーー この板ですね。すべすべ。確かに気持ちいい。

 

村田 この無垢の気持ちよさは誰にとっても心地いいものです。森の学校の商品の大きな武器になるかもと考えています。

 

ーー はい。たしかにこの感触はクセになる(笑)。

 

村田 表面も女性のストッキングが引っかかったりしないように最後は目と指先の感覚をつかって磨いて仕上げるんです。

 

ーー ひとつひとつを指先で感じて穴を塞いでいくんですね。すごい。これならわたしも家にほしいな

 

 

村田 その他、木のスプーンやバターナイフなどを自分で一手間入れて完成する半完成製品「ヒトテマキット」もあります(注4)。

 

ーー あ、そのヒトテマ・キット、わたしも買ってフォークつくってみました。

 

村田 いかがでした?

 

ーー とても面白かったんです。小刀やカッターナイフで簡単に出来るから親子で作ったりするのも楽しいと思いました。

 

村田 あとは割り箸や、変わったところではヒノキで作った名刺入れとか。

 

ーー 名刺入れ。就職祝いにもよさそう。あ、これですか。

 

村田 はい。さらにもっと細い木は熱源として家庭で利用してもらう仕組みをつくったり、薪ボイラーで温泉を暖めたりするのに利用されています。

 

ーー なるほど。もうそういう意味では西粟倉はだんだんとオーストリアに追いついてきてるんですね。

 

村田 はい。少しづつ良い方向にすすんでいます。

 

 

(注3) ユカハリ・タイル http://zaimoku.me/yukahari/

 

(注4) ヒトテマ・キット http://zaimoku.me/hitotema/

 

株式会社 西粟倉・森の学校

 

 

 

オンラインショップ